【株式投資】移動平均線を極める

移動平均線を読む基本

そもそも、移動平均線とは何か?

移動平均線とは、一定期間の株価の終値平均値を、毎日に渡り割り出してグラフ化したものなんですが、このページでは、「ローソク足のチャート」と「移動平均線」の意味を既に把握されている方を対象にお話しします。もしも、「ローソク足のグラフ」とか「移動平均線」という言葉自体を知らない方は、恐れ入ります、株の本やサイトで、これらの言葉を勉強されてから、再度、ご覧ください。

グランビルの法則?

グランビルの顔写真 移動平均線を読む上で、必ず出てくる人が「ジョゼフ・E・グランビル(Joe Granville)」です。移動平均線で株価の未来を予測する手法を発案した最初の人だと言われています。(移動平均線自体の発明者ではありませんが) 売買のタイミングを判断する一つの手法として、過去何日分かの株価の平均値を計算して、グラフにしたものを移動平均線と呼びます。

この移動平均線自体を考案したのが、米国のチャート分析家ジョゼフ・E・グランビルなのです。そして、移動平均線と実際の株価の乖離具合や、その方向性を見ることで、株価の先行きを判断する材料として、彼が考案したのが「グランビルの法則」と呼ばれているものです。

グランビルの法則の8つのキモ

移動平均線を扱う上で、「グランビルの法則」は基本中の基本になります。ですので、ただただ眺めるだけでなく、しっかりとこの法則は頭に叩き込んで下さい。特に株式投資のベテランになればなる程、移動平均線の考察という基本から離れ、他の指標に走りがちになりますので。

グランビルが、「A Strategy Stock Market Timing for Maximum Profit」で、移動平均線を用いた株式投資の戦略を発表したのは、1960年に遡ります。しかし、この法則は、今現在の株式市場の大きな指針の一つとして、未だに君臨しているのです。私は、数ある指標の中でも、移動平均線を読み砕くチカラがあれば、これだけで充分だと、今でも思っています。(特に株式初心者の場合、より複雑な指標に走りがちなので)

買いサインの4種

1 移動平均線が上昇に転じ、株価がその移動平均線を
    下から上へ突き上げた時

2 株価が移動平均線を下回ってきた場合でも、
    移動平均線が上昇中の時は、一時的な調整と見て買いサイン

3 移動平均線の上方にある株価が上昇中の移動平均線に近づき、
    移動平均線を割り込むことなく上昇した時

4 下向きになっている移動平均線より、さらに株価が大きく下がり
    乖離が大きくなった場合は、自律反発する可能性が高い

買いサインの4種

 

売りサイン4種

1 移動平均線が横ばい、または、下落に転じた場合
    株価が移動平均線を上から下へ割り込んだ時

2 下降中の移動平均線を株価が下から上に突き抜けても
    移動平均線の下落が続いている時

3 移動平均線を下回っている株価が一時的に上昇し
    下落中の移動平均線を上回れずに再度下落に転じた場合は、売り乗せ。

4 上昇中の移動平均線から株価が大きく上に離れ過ぎた場合、
    株価は高値警戒感から自律反落する可能性が高い

売りサインの4種

 

ゴールデンクロスとデッドクロス

もう一つ、移動平均線を語る上で忘れてはならない用語があります。それは、「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」という言葉です。長期と短期の移動平均線の動きを見る上で、非常に重要な基本になります。長期線に75日線、短期線には25日線を使う例が一般的でしょうか。ただし、あらゆる場面で絶対ではありません。あくまでも、一つの指標として覚えておきましょう。特に、ゴールデンクロスもデッドクロスも、その性質上、実際の株価の動きより遅く出現するので。

ゴールデンクロスとは
移動平均線の長期線を、移動平均線の短期線が、下から上に突き抜けた時の現象を言います。相場全体としては、下降トレンドから上昇トレンドへと変わりやすく、株価が上がり出す傾向になります。

デッドクロスとは
移動平均線の長期線を、移動平均線の短期線が、上から下に突き抜けた時の現象を言います。相場全体としては、上降トレンドから下昇トレンドへと変わりやすく、株価が下がり出す傾向になります。

ゴールデンクロスとデッドクロス

 

移動平均線の実践

それでは、移動平均線の実践に移ります。以下は、実際の一部上場のある食品株の最近の動きです。何日の移動平均線を使うかは、各人それぞれなんですが、一般的には、日足としては、超短期線としては5日線、短期線としては25日線、中期線としては75日線、長期線として200日線を使う傾向にあります。

私が初心者の方にオススメする移動平均線の選択は、25日線と75日線に注目することです。この辺の期間の選択が、初めの頃は落としどころだと思っています。株式売買の経験を積んでからは、ご自分に合った移動平均線の期間の選択をなさって下さい。

まずは、全体のチャートを落ち着いて俯瞰して見てください。(俯瞰するというのは非常に大事です) [1] にデッドクロスが出現しています。[2] にゴールデンクロスが出現しています。デッドクロスとゴールデンクロスは、前述したように、あらゆる場面で絶対の現象ではないし、一般的に短期間になる程「ダマシ」と言われる蜃気楼的?な現象でもあるのですが。

というのは、移動平均線とは、過去の結果を元にした数字の変化を捉えたものですので、デッドクロスもゴールデンクロスの出現も、その出現が遅延するという事なんです。因みに、株式の指標というものは、全て過去の動きを元に、未来を予想する性質のものなんで、絶対と呼ばれる指標なんてものは皆無なんですね。

[3] に「買いサインの4種」の内の「移動平均線が上昇に転じ、株価がその移動平均線を下から上へ突き上げた時」が見てとれます。もちろん、移動平均線の25日線が上昇に転じるのは、実際の株価が上昇してから数日経ってからです。(当たり前ですよね、移動平均線というもの自体が、実際の株価の動きの結果なのですから)

[4] に「売りサイン4種」の内の「移動平均線が横ばい、または、下落に転じた場合、株価が移動平均線を上から下へ割り込んだ時」が見てとれます。売りサインの場合も、移動平均線の25日線が下昇に転じるのは、実際の株価が下昇してから数日経ってからです。

移動平均線の実践

 

注目するべき箇所とは?

要するにです。移動平均線に限らず、どんな株式指標も、実際の株価の動きの「後追い」なのですから。そこの所をよく理解して下さい。過去の株価の動きを元に、いかにして未来を予測するか? の苦肉な策、人間の欲の悲しい嵯峨? が移動平均線なのです。

とは言っても、そんな指標の中でも、グランビルが模索した移動平均線の見解は、今でも、基本中の基本だと、私は思っています。私としては、商品取引のトレーダー達が昔から愛用している「RSI」なんかを研究するのなら、移動平均線を極めた方が絶対に有益だと思っています。(株式の初心者ほど、移動平均線をないがしろにして、他の指標に走りがちです)

買いのポイントの条件

ここでは、結論として、私なりの移動平均線の見るべき箇所を述べてみたいと思います。もちろん、あなた自身が、株式売買の経験を重ねた末には、ご自分なりの見解を構築してみてください。ただ、初心者の内は、素直に参考にしてみて下さい。重要な結論ですので、箇条書きにしていきます。

・日足(25日線と75日線)の移動平均線を使う
・ローソク足との位置関係を凝視する
・特に75日線は、株価の「抵抗する壁」と認識する
・75日線が、真横か、右上向きである
・株価が、下から完全に75日線を抜けるか、上から下がって来て75日線で抵抗
・直近の安値付近に、今の株価があるか

この辺の条件を満たすか、満たさないか、を検討してください。もちろん、全ての条件を満たすケースは、そうそう無いはずですが、上記の条件を参考にして、買い注文を出してみてください。因みに、直近の安値付近とは、半年前とか、1年前の期間の中で、今現在の株価が、安値にあるかどうか、という意味です。

売りのポイントの条件

売りのポイントの条件とは、単純に買いのポイントの条件の真逆になります。直近の高値付近とは、半年前とか、1年前の期間の中で、今現在の株価が、高値にあるかどうか、という意味です。

・日足(25日線と75日線)の移動平均線を使う
・ローソク足との位置関係を凝視する
・特に75日線は、株価の「抵抗する壁」と認識する
・75日線が、真横か、右下向きである
・株価が、上から完全に75日線を抜けるか、下から上がって来て75日線で抵抗
・直近の高値付近に、今の株価があるか

 

株価の指標とは
人間が考え出した「愚かな手法」

何回も言いますが、移動平均線に限らず、株価の指標というものは全て、過去の株価の動きを元に近い未来を予想する、人間が考え出した「愚かな手法」にすぎません。この点を、ローソク足と、移動平均線の短期線と長期線を比較する時には、頭の隅に置いておいてください。どんな指標にも、絶対は無いのです。常に、俯瞰して判断する、という事がとても大事だと思います。

あと、移動平均線を眺める事に慣れて来たら、25日線と75日線を基軸にはするのですが、各銘柄のローソク足独特の変化を見て、対象になる銘柄を判断する上で、逆に分かり易い移動平均線の期間を選択してみて下さい。(銘柄によって、ドンピシャの移動平均線の期間ってあるのです)

 

ボリンジャーバンドとの併用

ボリンジャーの顔写真 「ボリンジャーバンド」とは何か? ボリンジャーバンドは、上で学んだ移動平均線の進化形と思っていただければいいと思います。「ジョン・ボリンジャー(John Bollinger)」という人が、1980年頃に発案・発表し、今現在では、とても人気な基礎指標になっています。移動平均線とセットで、ローソク足に重ねて表示する人が沢山います。

正規分布を背景にした指標

統計学や確率論を勉強すると必ず出てくる言葉に「正規分布」というものがあります。簡単に言うと、人間の行動を含めた自然界が作り出す数字には、ある一定の法則が生じるのです。例えば、サイコロを無造作に1000回振ってみる。すると、よく出る数字と、よく出ない数字が出現します。

ランダムにサイコロを1000回振った場合、理論的には、どの数字も167回前後出るはずです。(1000÷6) しかし、現実には、一番よく出た数字の回数と、一番出なかった数字の回数との開きは大きいのです。

ただし、一番よく出た数字の回数が、平均的な回数(理論値・この場合は167回)の何倍も出る事はありません。逆に、一番出なかった数字の回数も、平均的な回数の数分の一、になる事はありません。この時の、出現回数の分布図の事を「正規分布」と言います。

ボリンジャーバンドは、この確率論的な「正規分布」という概念を背景にした指標です。ここでは、ボリンジャーバンドの詳細な解説は避けますが、移動平均線をある程度極めた時点で、ローソク足の未来の動きを見極める手法として、移動平均線とセットでボリンジャーバンドを表示させる事は、株価予測にはとても有効だと私は思います。

ボリンジャーバンドの見本

 

移動平均線とボリンジャーバンドを
実践で極めるルール理論

移動平均線とボリンジャーバンドだけで、近い未来の株価の予想をする、シンプルなロジックがあります。株式投資の基本は、長いスパンを大局で見て、売り買いをするものです。特に初心者の時はそうです。最初からDAYトレードと呼ばれるような短期売買に走るのは、大きなリスクを背負う事になると私は思います。

しかしながら、過去のバブル全盛期と違い、今の時代の多くの株価は、そうそう期待に応えて大化けしてはくれません。ですので、初めて株式投資をする方は、はやる気持ちを抑えて、少なくても半年間は、じっくりと株価の動きを、移動平均線を使って凝視し研究をして下さい。(何回も言いますが、他の沢山ある複雑な指標に目を向けるのは、最初のうちは絶対にやめて下さい)

毎日、1時間でもいいですから、PCの前に座り、銘柄を20種以下に絞って(この時、絶対に観察する銘柄を増やさないで下さい。多くても20銘柄以内に絞って下さい。これ大事です)株価の推移を、継続して観察してみてください。こんな地道な観察を続けていると必ず、「なんか、分かって来たような気がするかな~」という感覚がいつか出てくると思います。そんな時期にオススメするのが、この短期手法です。

短期手法といっても、1日間に何回も売買する超が付くような短期売買ではありません。だいたい一週間単位のスパンを意識した株式投資法です。明確なルールを厳守して、「安く買って、高く売る」という株式投資の基本に、「高く買って、もっと高く売る」マインドを追加した論理です。使う指標は、移動平均線とボリンジャーバンドだけで充分です。

移動平均線とボリンジャーバンドだけで判断するシンプルな株式投資ルール
移動平均線とボリンジャーバンドだけで判断するシンプルな株式投資ルール