●1997年10月07日/火
 26年間におよぶMT車体得のおかげで、なかなかVITAのATに慣れないで困っている。特に自分でも閉口するのはシフトレバーとブレーキの扱い。困るくらいならいいが、実際のところ危なくて。信号待ちなどでの停車時、ニュートラを確かめるために、知らぬうちにシフトレバーを左右に力まかせに動かしている。それも勢いよく横からバシッとかやるもんだから、ガンと反動がきて焦る。左足を動かすくらいならかわいげがあるが、いつのか日かシフトレバーがもげるのではないかと不安だ。シフトレバーって折れたらどうなるのだろう。ブレーキも早く慣れないとまずい。前ゴルフだとちょっとよそ見していてもだいたいの制動距離を体で覚えいていたから安心してブレーキを踏む時期をうかがえた。しかし、AT・MT以前にVITAのブレーキング自身がゴルフに比して甘い(と思う、パッド類にもよるが)、その上、エンジンブレーキやクリープの分を足さなければ思ったとおりに止まってくれない。ブレーキを踏む時期が数メートル早まったようだ。
 先日併走の水色パンダを見ていたら、危うく追突しそうになった。異常に汚れているパンダを、まだ汚れていなそうなレイバンの女性が運転している。しばらく横目で気にしてたら、視界からパンダが後方へゆっくりと消えて行き、前方に車が詰まっている事実にあわてて気がついた。ABS作動少し手前のブレーキングでした。危ネエ危ネエ。でもこれはAT車のせいではなく俺のせいか。信号でパンダに並ぶと中からツェッペリンが聞こえてきた。今どきレイバンのサングラスだけでも珍しいのに、レッド・ツェッペリンだもんなー。しかもアアアーアー(移民の歌)に合わせて口を動かしてるもんなー、若いのに。面白いお姉さんだと後をつけていたら、どうもパンダの様子がおかしい。少し走っては右に50cm位よれる。その度にカウンターを当てるようにステアリングを左に戻している。200m位の間隔で50cm右に斜行しては元に戻る。酔帯かパンクか? おそるおそる信号で近寄ると助手席にノートパソコンと携帯電話が見えた。モバイル姉さんは少し走っては右手をキーボードに伸ばしてカチャカチャやっている。当然目線も助手席である。車はその度に斜行し、目線が前方に向くと初めて軽いカウンターをステアリングにかます。命知らずのモバイル女だ。まえに関越高速で完璧に新聞読みながら120km/h出していたヤツ見たけれど、それにもまさる恐い物知らずである。触らぬ神にたたられると困るのでさっさと振り切った。室内ミラーにパンダのフロントの斜線が遠ざかっていく。もう何本か数えられなくなって水色の点になってから10分位、それからVITAをファミレスに入れた。西陽がVITAの色を判らなくしていた。ロックをかけて駐車場を横切る僕の前を水色のパンダがトロトロ横切って行く。一周して僕の後ろに回ったパンダのドアが開く。助手席のコンパックとツーカーが見える。たくさんのベルギーワッフルが駐車場のコンクリートの上にこぼれ落ちる。水色のパンダの中でレイバンを取って僕に声をかけた女は若くなかった。実は知っている顔だった。
 これ本日の明け方見た夢だ。僕の家ではこのとろ3日に2回位の割合で、朝5時から6時頃になると自然にテレビのスイッチがONになって6chがかかる。そして30分位して自然にOFFに戻る。僕だけが気が付いていて妻子は夢だと言って相手にしてくれなかった。いつものVITA夜行のせいで疲れているのだと言った。今朝はしょうがないから妻子をベットから引きずり出してONになっているテレビを確認させ、OFFになる瞬間まで見ていた。事務所では今日もMAC内蔵のCD-ROMユニットが何もしないのに開閉する。最近不思議な事が多くなった。

●1997年10月08日/水
 パーシー・フェイス・オーケストラというのは、ホテルの廊下とかスーパー・マーケットでBGMで聞くもとばかり思っていた。本日、朝の地下鉄で、例のタタタ・タタ・ターンというのがどこからか聞こえて来る。車内放送で最近は音楽も流すのかと黙って聞いていたら、どうも様子がおかしい。音源を探ると隣の短髪お兄さんのイヤホーンからだ。混み混みの出勤地下鉄の中でウォークマンしている。しかもタタタ・タタ・ターンで、手で軽くリズムとっちゃってるもんなぁー。どう考えても、あの曲でどうリズムとれるのか理解に苦しみながら3駅も付き合わされてしまった。
 この事をちょうど事務所に寄った同業者にバカにする口調で話した。笑っちゃうよなー、パーシー・フェイスだもんなー、タタタ・タタ・ターンだもんなー。すると彼は、僕もよく聞くよそれ、だって。アレレレレ、そうなの? よく聞くの? みんな聞くの? しかもウォークマンでちゃんと聞くんだ。そうなんだ。僕だけが違ってたんだ。彼とはもう19年の付き合いである。だから気負いもなければ嘘も付かない。しかも彼は5年前からピアノをちゃんと基礎から習い始めている男だ。週に一度はA3サイズ位の楽譜を何冊も抱えて歩いている。その彼がCDを買ってちゃんと聞く音楽がパーシー・フェイス・オーケストラなのだ。失礼しました、お見それしました、パーシー・フェイス・オーケストラ様。
 彼はここ数年ジウジアーロのピアッツァに乗っている。何年型か知らないがもうかなり年数がいっている事は確かだろう。あのフロントからの線が好きなんだそうだ。僕はあの線が嫌いなのでお互いにピアッツァの話題に触れないようにしてきた。その彼がVITAのカタログをなめるように見ている。けっこういいでしょう? なんて聞くと、車のカタログデザインも随分こなしてきた彼は、ウーンとかただ言っている。昔からとんでもない頑固者で、僕の良いという物や事をなかなか認めてくれない。そんな彼の口から、いいじゃんこの車、の一言あり。そうでしょ、そうでしょ、いいでしょ、タタタ・タタ・ターンよりいいでしょ。そしたら、そのうち彼も買うとか言い出した。買う、買おう、買えば、でトントン拍子、近々ヤナセに二人でおもむく事になりました。
 そんな彼から北海道に行こうと最近誘われている。1年位前に、TVで見たらしいのだ。都会の生活を捨てた夫婦二人が、北海道で自給自足のような暮らしをしている。冬は何をするのか知らないが、耕作し汗を流し、体力的には辛いが、幸せそうな夫婦の人生だったそうだ。それを見てから何かというと北海道を口に出す。初めは冗談半分のようだったが、最近はシリアス度がだんだんと増して来ている。(実は数年前は八丈島で漁師だったのだが)不景気風が強くなってくると僕達のような超ミクロな事務所は色々な雑念を抱えるのだ。僕なんて会社の歯車の一つですから、なんていう新人の謙遜があるが、俺達なんざ、都会の歯車の一つの歯につくバクテリアだもんなー。企業が両手ですくった水の、指の間からこぼれ落ちる水をさらにすくって飲んでいる地底人のようなものだもんなー。
 北海道でVITAをどう使うか見当もつかないが、VITA添付の厚いマニュアルには、この車にはヨーロッパ北部で鍛えたノウハウによる強力な暖房機器が付いています、と明記してあるので充分に安心して寒地を走行する事が出来そうだ。 とりあえず僕達はパーシー・フェイス・オーケストラを聞きながら北の家族する大切なギアをお互い揃って手に入れてしまった事になるのだが。
PS 先日、東京の田中さん(私自身ではない)という方からいくつかのVITA関連URLを教えて頂いた。その中でエアコン対策のアイデアPAGEがありました。熟読するとエアコンの効きとオーバーヒートとのバランスが難しそうだが、今度の休日にでも試して見ようかと思う。ただもう冷房の季節でもありませんが。

●TODAY'S REMARK・エアコン対策 http://www.bekkoame.or.jp/~jh6bha/higa9708.html#9708012

●1997年10月09日/木
 以下は、遠方のVITA乗りの方から届いたクレーム談である。詳細をお願いして返信を頂いた時は、大変でしたね、としか言えなかった。ちなみに彼は年2万km、通勤の足にもVITAを使われるヘビーユーザー?である。尚、以下すべてクレーム扱いで修理できたそうですが。
 9500キロでメーターケーブル切断。その2日後、ウィンドウ脱落。走行中にエンジンが突然死3回、ブレーキの恐怖。触媒警告灯が点灯しっぱなし。ラジオが雑音ばかりで聞こえなくなる。高速道路1??キロで走行中にエンジンが突然死の恐怖体験。燃料計の針がゼロに、これメーター異常のみ。2本目のメーターケーブルが2万キロで切れる。エンジンヘッドから異常音で初の牽引、原因はリコールの部品。ボディにクラックが入り、プレス金型の設計不良か? ウィンドウがロック。ロックできないキーシリンダー。ロアアームとスタビの連結ソリッドで摩擦音が発生。(概略です。スイマセン、勝手に引用して。)
 別にVITAの不具合を冷やかしたり、ミーハー的に楽しむつもりはもうとうありませんし、ストーカーが一人出たからといって都内の夜がすべて危ないという理由にはならないと同等の事はいえる。だから僕のVITAに実際にふりかかるべくさし迫る不具合というのでもないでしょうが。たとえば、今からVITAを買おうとしている僕がいて、その直前にでもこういう類の話を聞いてしまったら、やはりオズオズすると思うのです。いくらVITAのデザインと思想に惚れ込んでいたとしても、一般的な車使用者にとってみればこの不具合の量と質は、上述が極例であったとしてもやはり大バツであると思う。もちろん車を愛する、特に外車を愛する者にとっては、車の不具合は恋の不具合よりも辛く、また裏返しのいとおしさも混じり複雑な心境に達するのは充分に理解できるが、でも、でも。やっぱり製造者の責任とか、整備者の責任というものを明白にして責任者にちゃんと対処してもらわないと、また購入者としての主張もズケズケすぎるくらい現場に差していかないと、僕の今現実に携わっている仕事への対応、責任感も併行して薄らいでいくようで許せない。だって僕は百何十万円という決してラクではない大金を支払って、それに見合う物を手に入れたのだから、それに比例した快楽を主張するのは当然の事だし、僕自身も仮にそんな仕事をしたら食べる事も出来なくなる程、客に干される。それにあえて言わせてもらえば、VITAは外車専門ヤナセの販売車種の最下価格の車であり、この不景気の中、オゴリという感覚はまさかヤナセ側にはないだろうが、粗利という点ではどうあがいてもメルセデスにかなう訳がなく、こういう背景を背負って、売る側も買う側もとことん競り合うみたいなリレーションシップが欠如する傾向を特にショールームでは感じる。こんな中で要するに、芸能界でいうとヒロミみたいというか、おまえ、ちゃんとした車作れよな、とか、おまえ、ちゃんと車直せよな、とメルセデスの横に置いて在るVITAの中でストレートに主張しなくては、この車は絶対に良くならない。と結構心臓ドキドキしながら思った。
 PS 昨日のリンク先のエアコン対策のアイデアについて、ある方から貴重なアドハイスを頂いた。あのアイデアは、いわゆる自動車会社の開発が最後に悩む対策の類だそうで、試してみる価値はもちろんあるが、注意が必要との事。エンジンルームの熱価の変化により、電子部品、バッテリーの損傷が予想でき、アイドリング時の熱の逃げを良く考えてから行なうようにとの事だ。有り難うございました。ちなみにこの方のVITA君はエアコンのコンプレッサー全とっかえの旅に昨日出発されたとの事でした。全快早期帰還をお祈りいたします。
 土曜日は何とか休めそうだ。明日から3連チャン、待ちに待った高速を初めて試す時がついに到来した。ウシウシウシ。

●1997年10月12日/日
 VITAがあって、3連休があるのだから、甲府でブドウなんてどうかという話になって、それではと永福から上に上がったら、なんと渋滞50km。それでもみんな中央高速へ諦めず入って行くので、半信半疑でくっついて行くとやっぱしの大渋滞。しょうがないから発想180度転換して、調布インターでUターン、急きょ羽田へ。目的意識まるで無し家族を乗せたVITAは、ガラガラ空いてる首都高速飛ばしてあっという間に羽田国際空港に着きました。600円のいまいちカレー食べながら、展望デッキで2時間、飛行機見てたらもっと遠くに行きたくなり、でかすぎるロビーに降りたらほとんどの便に空席有り。40分後の石垣島に乗っちゃおうかなとクレジットカード出したら、やっぱりそこで妻の制止ありでした。
 世の中にはポジティブとネガティブな思考があって、人生を楽しくするにはポジティブな発想に変えるのが一番だとBig Tomorrowなんかによく書いてある。2・3分間隔で離陸するジュラルミンの筒を見ていると、ホジティブは、この先には旅という名の魅惑の体験があなたを待っているのよ、もしかしたらあなたの人生はとっても変わっちゃうかもしれないのよ、と言い、ネガティブは、機首をもたげてフワッと空中に浮き上がってしばらくすると左急旋回、紺碧の東京湾へと翼から突っ込んでいくのかしら、大きな白波がとっても綺麗よね、なんて言っている。未来はいい事ばっかりだ、明日は今日よりも楽しいと自分に言い聞かせる作業にもかなりエネルギーが必要そうだし、まして空港まで来てポジティブになれないヤツには、きっと移動の浄化なんてある訳がない、と比較的今日はポジティブに思う。
 VITAでの移動はいい事ばかりではなかった。高速を含めて100km程走ったが、ハーシュと言うんですか、高速のつなぎめ上を通過する時の突き上げは相当なもの。室内が予期していたよりも静かだったのでよけい気になってしまう。街中ではほとんど気が付かなかったが、いかにVITAでもひいき目に見る事は出来なかった。軽い起伏通過後のフワフワもなかなか戻らないし、サスペンションの高速感はみごとに個人的好みからは遠のきました。VITA全体がこういう設定なのだからしょうがないのか、僕のSwing16Vだけなのか。だったらSwingSportとの差はどの位あるのだろうか。もちろん、サス一掃するまでの元気はないが、これからは時期をみてタイヤの幅や扁平率にも気を向けていこうと思う。こいつ、リンク9番の木村さんのようにタイヤ交換によりガラリと様相が変わりそうだ。

●1997年10月13日/月
 区主催の大きな催し物に知り合いが、揚げたこ焼き屋(?)で出店するというので、VITAで行こうとKEYを出したら、近いからたまには歩いて行こうと妻子が言う。運動になるからそれもいいと思い、KEYをしまって運動靴を出した。
 あたりまえだけど、車と徒歩ではまったく景観が違う。こんな所にこんな神社があったんだー、ここ本屋じゃなくてCD屋だったんじゃない、床屋の水槽の金魚が見ない間にあんなでかくなった.... がいっぱいある。マクロも楽しいけれど、ミクロ発見もこれまた楽しい。こんな話をしながらテクテクしていると、結局、僕達に車は必要ないんだなあーってつくづく感じる。都内に住んでる分には、電車とバスで移動の不安はないし、いざとなればタクシーだって今はすぐに捕まる。東急ハンズの駐車場の確保に1時間を浪費する必要もないし、帰途を気にしない開放感の中で飲むビールは美味しい。これだけ車がなくても幸せになれるのだから、いっそ車を窓から捨ててしまったらどうかと、家族で考える会に、いつのまにかなってしまった。
 しかし、公害、運動、健康、ローンに関しての客観的な意見はいくらでも出てくるのだが、最後まで誰一人、VITAを売れと主観的に言い出さない。僕に向かって言い出せないのではなく、明らかに強い意志をもって言い出さない。しかも前所有GOLF2の時はゴルフなんて車名で呼ばなかったのに、今日は二人とも、ビータと固有名詞形でVITAを呼んでいる。それに、苦があるから楽が解るなどと小学2年生がわかった口をきく。VITAがあるから、テクテク徒歩が解る。テクテクがあるからVITAが解るのだと妻が続いて訳す。どうも二人とも車は健康と地球に悪い、車のローンにより失われる生活は計りしれない、しかしVITAは良い、VITAだけは許す、と思っているようである。巨人は嫌い、でも長島好き? 労働嫌い、でも金は好き? 子供嫌い、でもSEXは好き? じゃないか。という事でVITAは永遠にうちの家族としての称号を手に入れたのでした、ジャンジャン。じゃ終わらないけれど、じゃあVITAは100パーセント車ではないのか、鉄とゴムとプラスティックの塊ではないのかという大義にはなるべく目をつむって、フタをして、見ぬふりをして、柴犬のようにかわいがりましょ、という事になってしまった。最後には、クーラーの効きが悪い性質も、クーラーは体に悪い、だからこの程度の効きでちょうどいいからあえて修理なんかしなくてもよい、このままで行きましょ、という事になった。我が家では、もはやVITAは理屈ではないところまで来てしまった。

●1997年10月14日/火
 下取ってもらったGOLF2の書類手続きに戸籍の附票というものが新たに必要になったので、本籍のある区役所に行って来た。建物の上に、東京都、日本国、中野区の順で旗がシンボルマチックになびいている。3者の力関係がはっきりと見てとれる。日本国は東京都より、中野区より偉い。日本国一つで中野区がいくつ買えるんだろうか。裏通りのパーキングメーター列にはVITAの姿は残念ながらなかったが、メルセデス、アウディ、ゴルフ、BMW、ベクトラとみごとにドイツ車オンパレード状態。メルセデスSクラス一台でゴルフは、VITAは何台買えるのだろう。こういう所から発想する力関係はむしろ分かり易くて気持ちがいい。気持ちが悪いのは、暴力だとか利権だとかから発生する生活生命に関わる力関係である。
 窓口で番号札をもらって待っていると、隣がだんだんうるさくなって来た。役人も何人か中の方から集まってきている。どこかのヤ印の方が住民票だか戸籍謄本だかを取りに来ている様子。カウンターの中の役人は身内の方か、正式な委任状がないと発行出来ないと頑張っている。その方は、俺と誰とかは兄弟なのだから誰が見ても身内だ、だから俺が取りに来て何が悪いと主張。役人はそれでも兄弟とは認められない、失礼だが兄弟の意味が違うのではと。その方は、兄弟は兄弟だと堂々としている。カウンター越しの平行線だ。その方の付き添いの若い方も加わり、なぜか携帯で誰かと話しながら、それでは区長を出せなんて事をあらだたせる。みんな苦笑しながら見て見ぬふりをしている。その方は、グラデーションが垂直にかかったメガネ、パンチパーマとエナメル系の低い靴、これらを除けばりっぱなサラリーマンだ。若い兄さんも紺のブランド・ロゴ入りのジャージ風衣服と不自然なオールバックを除けばそこらの青年隊である。(これで充分か)
 確か12・13年前にも同じ様な光景を目にした覚えがあった。それもこの区役所の同じ階だ。それともデジャヴ? いや現実である。しかしこんな状況に2度も遭遇するだろうか。この役所はこんなアトラクションを毎週何年間も続けてたりして。その度に区長が出てきて一件落着。籐山の金さんだ。凝った芝居を見せられている様でなんたが気持ちが悪かった。
 結局、誰か貫禄の方がどこからか出てきて警察の出番無しに落着したようで、僕の番号が掲示されて手数料を払う頃には人だかりは引いていた。外に出ると少し前をその方々が歩いている。風が強くタバコに火が着かずイライラしている方に若いお兄さんがヒコヒコしている。なんだか予期せぬ和気あいあいの力関係だ。絶対に黒窓のメルセデスだと決め込んでいたら、なんとアウディA6のドアが開いた。A6に乗って自ら兄弟分の抄本をとりに来る、多少ゴネるが引きも早い。こんな方のドイツ車話を願わくば聞いてみたいと、A6のリアシート上の雑誌NAVIを横目で見ながら思った。秋の夜、横町のホッピーでも飲みながら。しかしVITAの話題は出ないだろうなー。

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