●1998年04月06日/月
携帯よりもPHSの方がよっぽど役に立つ生活をしているかもしれない。事務所の中では来る人みんなASTELでもDDIでもNTTでも平気で通話しているし、外に出て表通りを歩いても、地下鉄のホームでも、地下街でもPHSだけで全然OKだ。自宅に帰る住宅街も曲がり角ごとの電柱にはちゃんとアンテナが設置されているし、自宅の寝室から直線距離13m先にはNTTパーソナルのアンテナが3本、50m先にはASTELのチッコイのが2本見える。自宅の全室(たいした数ないが)ホームアンテナ無しで事がたりる。ここ1年でのPHSのエリア拡大はCMどおりにすさまじく、携帯電話が遠のいて見える。
最寄りの駅の商店街にあったスパゲティ屋がつぶれてその後に入ったのがコーヒー屋のドトール。ここの日曜日はいつもおばさん連中で混んでいて、3人分のいい席を確保するためにいつも無意識に早足になるみっともない男に化してしまう店だ。ここにはミルクレープというとんでもない贅沢なお菓子がある。薄くのばしたクレープの生地の間に生クリームが薄くひいてある。これがなんと17層にわたって重なっているのである。妻子はもちろんの事、僕も大ファンで毎回親子3人で大騒ぎしながら幸福を見せびらかして食べている。
どこにいてもPHSで事が足りる集積した環境や、美味しい物が歩いて直ぐに手に入る環境で生活していると当然のごとくVITAの影が薄くなって来る。平日の環状6号線の内側なんかに入る必要性は地下鉄とJRがある限りまったく感じられないし、事務所近辺の駐車場の値段は毎月のVITAのローン支払額よりも高い。必然的に我がVITAは休日専用車となってしまい、平日は緑のエクステリアとしての役目をひたすら演じている。知らない間に寿司やピザ屋のランドマークにされているかもしれない動かないVITA。それもいいけど。
この土日は実母のもとで花見をした。いままで母の家に行く時はいつもVITAで出かけている。電車を乗り継いで行くと1時間と少しで着ける。VITAで行っても空いていれば1時間と少し。タメだ。しかし問題は帰りである。関越自動車道が混んでいると3時間では帰ってこれなくなってしまう。昨日は春休み最後の日曜日。渋滞を予想して今回だけはVITAを置いて電車で行った。渋滞の予想は的中して、遠く車群連なる高速道路を横目にゆっくり座って電車で余裕で帰ってこれた。しかも浮いた時間でミルクレープも食べれた。そしてついに休日もVITAの出番はなくなってしまった。
ミルクレープの層をフォークで数えて17層ある事を妻子がちゃんと確認して、誇大広告ではないドトールの潔白を証明した頃には僕のミルクレープは上からすでに11層目が胃の中に消えていた。妻とVITAの、自家用車の所有の必要性について話した。僕の場合、物も人も運ぶ必要性のない日常が98パーセント続いている。たまに走れば環境の問題も生まれるし、危険性もつきまとう。まつわる税金や支払もあるし運動不足のツケは大きい。去年9月25日納車で全走行距離2900km、この数字からも物理的な必要性は全くない。なのに僕は未だにVITAを自転車に変えないし、携帯電話をPHSに変えない。必要性がない物を所有する後ろめたさもないが、素うどん食っても車のローンに当てた若い頃とはたいぶ違う今日の生活の中でVITAはどう淘汰されていくだろうか。僕の価値観も随分と変化している。
花見をして、VITAを置いて電車に乗って、車所有の必要性を話して、親子3人ドトールでミルクレープに細心の注意を払って春休みの締めくくりとした。本日帰宅後、娘から聞き出す新クラスの情報が楽しみである。娘は意外にもVITA所有にこだわっていなかった。
●右ハンドル輸入車のタイヤハウスのナゾ(OPEL-Vitaの場合)
http://www.bekkoame.or.jp/~jh6bha/higa9712.html#971229
しかし山本さんのエネルギーにはいつも感心してしまう。
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